シンガポールに本社を置く COGNOSPHERE PTE. LTD. が運営する人気RPG原神をかたった偽の広告案件ダイレクトメッセージ(DM)が、SNS「X」上で大量に確認されていることが分かった。

確認されているのは、「Genshin Impact 広告プロモーション担当」などと名乗るアカウントが、フォロワー数の多い利用者を中心に「広告案件は可能でしょうか」「広告協力をお願いできませんか」などと持ちかける手口で、今月初めごろから急増している。

あしたの経済新聞が入手した実際のDMによると、当該アカウントはフォロワー数約13万人を有し、最初は「広告協力可能でしょうか?」と文面で接触してくる。これに反応すると、あらかじめ用意された広告文として「幻想的な世界で自由に旅しよう」「今すぐダウンロードして新たな冒険を始めよう」などとする宣伝文句とともに、「画像は不要」「報酬は5万円」などと具体的な条件を提示する。

さらに話を進めると、「こちらはX公式プラットフォームの広告です」としたうえで、「ads.twitter.center」とするURLを示し、「ログイン後に広告主を選択して確認ボタンを押せば報酬を支払う」などと説明する。一見するとX関連のドメインにも見えるため、注意を怠ると信用してしまいかねない構成となっている。

しかし、Xの日本法人である X Corp. Japan株式会社の関係者は取材に対し、「Xはそのようなドメインを取得・運用していない」としたうえで、「X上に、個人がログインして報酬を得るようなアフィリエイト機能は存在しない。広告関連の正規ドメインは ads.x.com に限られる」と述べ、当該URLが偽装であることを認めた。
問題のURLにアクセスすると、見た目はXのログイン画面と酷似したページが表示されるが、ここにIDやパスワードを入力すると、アカウント情報が外部に送信され、乗っ取り被害に遭う仕組みとみられる。実際、「Genshin Impact 広告プロモーション担当」を名乗っていたアカウント自体も、第三者から不正に取得されたアカウントである可能性が高い。
また、広告案件の報酬支払い方法としてPayPayを指定している点についても、業界関係者は「大手ゲーム会社のプロモーションで、個人送金サービスのみを指定するのは不自然だ」と指摘する。企業案件を装いながら、初期段階から詐取を目的としていることは明らかだ。

編集部は、日本国内における「原神」の運営を担う株式会社COGNOSPHEREの関係者にも取材を行ったが、「現在、事実関係を確認し対応を進めている」と述べるにとどまり、詳細については明らかにしなかった。
SNSを舞台にしたなりすまし型のフィッシング詐欺は年々巧妙化しており、知名度の高いゲームや企業名が悪用されるケースが後を絶たない。利用者には、DMで届く「広告案件」や「公式を名乗るリンク」には安易に応じず、確認する姿勢が必要だ。
コメント