売上の99.7%が架空 KDDI子会社不正、個人主導も被害は2千億円超

KDDIが公表した特別調査委員会の報告書により、子会社における広告代理事業の実態が、企業統治の想定を大きく逸脱していたことが明らかになった。売上のほぼ全てが架空取引で占められていたという異例の事態である。

調査によれば、不正の中心となったのはジー・プランおよびビッグローブの広告代理事業であり、遅くとも2018年8月以降、実体のない循環取引が継続的に行われていた。関与したのは主に元従業員2名で、売上目標の未達や赤字補填を目的として開始されたと認定された。

この取引は、存在しない広告案件を装い、複数の代理店間で資金を循環させる仕組みであった。広告主の実在を前提とする通常のビジネスモデルを逆手に取り、帳票上は正規取引と見分けがつかないよう偽装されていた。さらに、支払サイトの差異を利用し、資金を先出しすることで循環を維持する構造となっており、金額は雪だるま式に膨張していった。

実際、広告代理事業における売上の約99.7%が架空循環取引によるものであったとされる。この数字は、事業そのものが実質的に成立していなかったことを意味しており、企業活動の前提を揺るがす異常な状態といえる。

影響額も極めて大きい。売上高の訂正額は累計で約2,461億円、営業利益の訂正額は499億円、さらに外部流出額は329億円に達した。

また、発覚を免れるための隠蔽行為も確認された。関係者は代理店間の接触を制限し、虚偽の成果レポートを作成するなど、実在性を装うための工作を行っていた。さらには監査対応において口裏合わせが行われたことも認定されており、内部統制の機能不全が顕著であった。

一方で、調査委員会は組織的関与は確認されなかったと結論付けている。あくまで特定の個人による主導的行為とされるが、その長期継続と規模を踏まえれば、監督体制の不備は否定できない。

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