自民党と日本維新の会、連立合意を締結 「日本国章損壊罪」創設を明記

自民党と日本維新の会は2025年10月20日、連立政権樹立に関する合意書に正式署名した。両党は、2026年の通常国会で「日本国章損壊罪」を新設する法案の提出を目指す方針を確認し、保守的な法秩序の強化と国家シンボルの尊重を掲げて連携を深める構えを示した。

この「日本国章損壊罪」は、国旗「日の丸」や皇室の象徴である「菊花紋章」など、日本の国章にあたる図柄を故意に汚損・破壊する行為を処罰対象とするもの。現行刑法では外国国旗を損壊した場合に処罰される「外国国章損壊罪」(刑法92条)が定められているが、日本の国章については明確な刑罰規定が存在していない。この点を不均衡とみなし、是正する狙いがあるとされる。

連立合意書には、「国家の象徴に対する故意の損壊行為を厳正に罰する法的整備を進める」と明記されており、今後は法務省を中心に条文化作業が進む見通し。具体的な罰則の程度や、表現の自由との関係についても議論が予想されている。

高市早苗自民党総裁は同日の記者会見で、「国旗・国章は国民統合の象徴であり、それを冒涜する行為を放置することはできない」と強調。日本維新の会代表・馬場伸幸氏も「国家の尊厳を守るための当然の法整備」と述べ、両党の方針が一致していることを示した。

一方、専門家の間では慎重論も出ている。憲法学者や人権団体の一部は、「刑罰による規制は表現の自由を侵害するおそれがある」と指摘。特に、抗議活動や芸術表現の範囲内での行為が罪に問われる可能性がある点について懸念が示されている。また、国旗や国章の定義をどこまで広げるかについても明確でなく、立法過程では慎重な線引きが求められる見通しだ。

この法案の背景には、近年SNS上で拡散された「日の丸を焼く」「国章を踏みつける」といった投稿への批判が相次いだことがある。特に国際的な行事やデモ活動などでの行為が議論を呼び、政治的・社会的緊張を高めていた。今回の合意は、こうした一連の問題を受けた対応策の一つとみられる。

また、両党による連立合意は、国政運営の安定化を狙った政治的な意味合いも大きい。自民党は新総裁・高市早苗氏の下で支持基盤の再構築を図っており、維新の会は大阪を中心とした地域政党から全国政党への脱皮を進めている。連立によって衆議院での法案可決に必要な安定多数を確保し、憲法改正論議や防衛政策の強化など、保守的政策の推進を加速させる意図があるとみられる。

SNS上では、「日本人として当然」「国旗を守る法律は必要」と賛同する意見が多く見られる一方、「表現の自由を脅かす」「思想統制につながる」といった懸念の声も上がっている。特に若年層の間では「愛国心の教育」と「表現規制」の線引きに関する議論が活発化している。

今後、法案は2026年の通常国会に提出され、審議を経て成立を目指す見通しだ。ただし、刑罰の対象範囲や運用の在り方をめぐっては与野党の間で意見が分かれており、国会審議は紛糾する可能性もある。

両党の連立によって新たな政治地図が動き出した今回の合意。国家象徴の保護と自由権のバランスをどう取るか、社会全体での議論が求められている。

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