
兵庫県警は9日、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(58)を、亡くなった元兵庫県議の竹内英明氏に関する虚偽の発信を行い、名誉を傷つけたとして名誉毀損の疑いで逮捕した。警察によると、立花氏はSNSや街頭演説などで「竹内氏は警察の取り調べを受けていた」などと発言し、虚偽の印象を広めた疑いが持たれている。
竹内氏は2025年1月に自宅で死亡しており、県警は遺族からの告訴を受け、6月以降慎重に捜査を進めていた。警察関係者によれば、発言内容の一部は事実に反する可能性が高く、社会的評価を著しく損なうものであったとされる。立花氏の発言はインターネット上で拡散し、動画共有サイトなどでも視聴数が急増していたという。
今回の逮捕は、すでに死亡した人物の名誉を毀損した容疑としては異例の事例となる。刑法上、死者の名誉を保護する規定は存在するものの、適用されるケースは極めて少なく、専門家からは「政治家による発信行為が刑事責任に問われるのは異例で、SNS時代の情報倫理を問う試金石になる」との見方が出ている。
立花氏はかつてNHK職員として勤務した経歴を持ち、2013年の政治活動開始以降、「NHKの不正追及」を掲げて数多くの発信を続けてきた。捜査当局は、今回の発言が単なる政治的意見表明ではなく、特定の故人の社会的評価を著しく傷つけたと判断した模様だ。
なお、兵庫県警は「捜査中の案件であり、個別の供述や証拠内容についてはコメントを控える」としており、立花氏側の弁護人からの正式な声明は現時点で出ていない。党関係者によると、今後の党運営および政党活動への影響についても協議が行われる見通しだ。
県警は、発信の経緯や意図の確認を進めるとともに、当時の投稿内容を精査し、立花氏の主張との整合性を検証している。SNS上では「政治家の発言がどこまで処罰対象となるか」「言論の自由との線引きが問われる」といった議論も広がっている。
曇りがち

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