
香川県内で、母親が息子の大麻使用を疑って警察に相談したことがきっかけとなり、15歳の男子中学生が麻薬及び向精神薬取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕された。警察によると、母親は自宅で息子の様子に不自然な点があったことから警察署に出向き、相談を行ったという。捜査員が中学生の所持品を調べたところ、バッグの内ポケットから乾燥大麻約0.1グラムが発見された。
男子中学生は取調べに対し、「インターネットで知り合った人から譲り受けた」「興味本位で吸ってみた」と供述しており、容疑を認めているという。香川県警は入手経路の特定を進めるとともに、背後に成人の関与がなかったかを慎重に調べている。
県警関係者によれば、中学生の家庭はごく一般的な世帯で、母親が勤務から帰宅した際、息子の目の充血や異常な興奮状態に気づいたことが通報のきっかけだった。母親は「まさか自分の子どもが大麻に手を出すとは思わなかった。警察に行くのは苦しかったが、放っておけなかった」と話しているという。
押収された大麻は市販の袋に入れられており、量はごくわずかだが、成分検査の結果、違法薬物の一種であるテトラヒドロカンナビノール(THC)が検出された。警察は中学生が常習的に使用していた可能性もあるとみて、通学先の中学校や家庭との関係を慎重に調べている。
日本では近年、若年層による薬物の所持・使用が深刻化している。厚生労働省によると、2024年の大麻関連事件の検挙者は全国で約6300人に上り、そのうち20歳未満が7割を占める。SNSや動画投稿サイトなどを通じて薬物への興味が広がっており、入手経路が匿名化・低年齢化している現状が指摘されている。
香川県警は今回の事案について「家庭内での早期相談が重大事件の防止につながった好例」とし、学校や家庭での薬物教育の徹底を呼びかけている。県警生活安全部の担当者は「親の通報は裏切りではなく、子どもの命を守るための勇気ある行動。見て見ぬふりをせず、少しでも異変を感じたら相談してほしい」とコメントした。
香川県内では2025年に入ってから未成年者による薬物事件が相次いでおり、県警は教育委員会や少年課と連携し、家庭訪問や啓発講座を通じた防止策を強化している。今回の逮捕を受け、地元教育関係者からも「家庭内の信頼関係と社会の支援体制が試されている」との声が上がった。
中学生は現在、少年鑑別所での調査を受けており、家庭裁判所への送致が検討されている。警察は、譲渡先や交友関係の実態を慎重に洗い出す方針だ。社会的に“身近な犯罪”となりつつある薬物事犯が、ついに家庭内の通報で明らかになった今回のケースは、親子の葛藤と法の狭間にある現代社会の一断面を映し出しているといえそうだ。
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