警視庁警部補、捜査情報をスカウトグループ「ナチュラル」に漏洩か 守秘義務違反で逮捕 内部スパイ疑惑の実態浮かぶ

警視庁は11日、暴力団対策課に所属する警部補・神保大輔容疑者(43)を地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで逮捕した。神保容疑者は、国内最大級のスカウトグループ「ナチュラル」に対し、複数回にわたり捜査情報を漏洩した疑いが持たれている。漏洩はスマートフォンのメッセージアプリを介して行われたとみられ、警視庁は神保容疑者の通信履歴や関係先を押収し、情報の流出経路を詳しく調べている。

捜査関係者によると、神保容疑者は暴力団対策課でスカウト関連組織の取締りを担当していたが、その立場を利用し、摘発予定の情報や関係先の内偵内容を「ナチュラル」関係者に漏らしていた疑いがある。捜査情報は少なくとも数回にわたり送信されており、警視庁は同容疑者が金銭的な見返りを受け取っていた可能性もあるとみて調査を進めている。

警視庁では近年、風俗店やキャバクラなどで働く女性を違法に紹介・仲介するスカウトグループの摘発を強化しており、「ナチュラル」はその中でも特に規模の大きい組織として知られていた。関係者によると、同グループは都内を中心に活動し、ホストクラブで多額の借金を抱えた女性を風俗店へ違法に紹介する手口で年間約44億円超の収益を上げていたとされる。警視庁内では、少なくとも5年以上前から「内部に情報提供者がいる」との疑念が持ち上がっており、今回の逮捕で長年の内偵が結実した形となった。

警察内部による情報漏洩は極めて異例で、暴力団対策課関係者は「捜査の根幹を揺るがす重大な不祥事だ」と憤る。漏洩された情報には、家宅捜索の実施日や関係者の行動把握データなど、捜査の核心に関わる内容が含まれていた可能性がある。捜査の進行が阻害され、証拠隠滅や関係者逃走を招いたケースも確認されており、警視庁幹部は「組織の信用を大きく損なった」と述べた。

一方、神保容疑者は調べに対し「知り合いから頼まれて情報を見せただけで、金銭は受け取っていない」と一部容疑を否認しているという。警視庁は今後、漏洩情報の正確な範囲や動機を追及するとともに、関係するスカウトグループ「ナチュラル」の背後に暴力団関係者が関与していた可能性も視野に捜査を拡大する方針。

今回の事件を受け、警視庁は全職員に対して守秘義務の再徹底を通達。情報セキュリティ体制の見直しと、捜査資料の電子管理システムの監査を急ぐ。警察内部の信頼回復が問われる中、今回の事件は組織全体の透明性と倫理意識を改めて問い直す重大な局面となっている。

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