2025年度、新卒採用試験に異変が起きている。
本紙は、金融、M&A、EC、IT企業、人材派遣、不動産業界など9社の入社試験を独自ルートで入手。
そこに並んでいたのは、一般常識問題でも、四則計算でもなかった。
出題されたのは、「このまま経営会議に持ち込めるレベル」のビジネスケース問題。
試験の方向性は明確だ。「暗記型人材」はもういらない。
経営者脳を持つか、即戦力として動けるか―― それが試されている。
本紙が入手した試験問題を、ここに公開する。
《金融業界:資産運用のジレンマ》外資系証券会社(配点 20点)
「資産をどう動かす? 経済の波を読め!」
あなたは証券会社の資産運用部門のマネージャーだ。
クライアントから「安定したリターンを確保しつつ、市場変動に強いポートフォリオを組んでほしい」と依頼を受けた。
与えられた選択肢は以下の3つ:
| 資産クラス | 期待リターン(年率) | 標準偏差(リスク) |
|---|---|---|
| 株式 | 6.5% | 18.0% |
| 国債 | 1.8% | 3.0% |
| 不動産REIT | 4.0% | 12.0% |
問:あなたなら、どの資産をどの割合で組み入れるか?リスク調整後リターンを考慮し、根拠を示せ。
《M&A業界:敵対的買収への防衛戦略》製造系M&Aファーム(配点 30点)
「ライバル企業のTOB! 取締役会はどう動く?」
X社は、ライバルY社から敵対的買収(TOB) を仕掛けられた。
しかし、Y社の提案は株主にとって必ずしも魅力的ではなく、X社の取締役会はこれを拒否する方向だ。
そこでX社は、友好的M&Aを進める「ホワイトナイト戦略」を検討し、Z社との統合を模索している。
問:CFOの立場で、以下3点を考慮し、最適な戦略を提案せよ。
- 資本コストと負債比率の影響
- 株主利益の最大化
- 独占禁止法リスクの回避策
《EC業界:ロイヤルティプログラムの最適化》BtoB系EC企業(配点 25点)
「リピート客を増やせ!売上最大化の妙手」
あなたはECプラットフォームのマーケティング責任者だ。
新規顧客の獲得は順調だが、リピート率が低く、LTV(顧客生涯価値)の最大化が課題となっている。
現在、2つのプランを検討中:
- ポイント還元型(購入額の2%をポイント付与)
- サブスクリプション型(月額500円で送料無料+特典付き)
問:どちらのプランを採用すべきか?また、その効果を最大化するための施策を3つ提案せよ。
《IT企業:プロダクトマーケットフィット(PMF)の達成》SaaSスタートアップ(配点 25点)
「売上が伸びない… どこに原因がある?」
あなたはBtoB向けSaaS企業のCEOだ。
新規プロダクトを市場に投入したものの、売上が伸び悩んでいる。
- 競合は大手企業が多数
- ユーザーの継続率は50%程度
- 広告を出しても新規顧客が増えない
問:PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成するための施策を、以下の観点から提案せよ。
- ターゲット市場の再定義
- プロダクトの差別化
- ユーザー獲得戦略
《人材派遣業:新規事業の成否を見極める》商社系人材企業(配点 25点)
「この事業、やるべきか否か?」
人材派遣会社が、新たに 外国人技能実習生の派遣事業 に参入を検討している。
政府の規制が厳しく、収益モデルはまだ確立されていない。
問:この事業を進めるべきか?以下の3点を踏まえて提言せよ。
- 市場の成長性と競争優位性
- 法規制のリスク
- 既存事業とのシナジー
《不動産業界:投資判断の難題》商社系不動産デベロッパー(配点 25点)
「このオフィスビル、買うべきか?」
あなたは不動産デベロッパーの投資部門責任者だ。
ある都心のオフィスビルが 100億円 で売りに出された。
- 現在の稼働率:80%
- 想定賃料収入:年間8億円
- 将来的な賃料下落リスクあり
問:この物件を購入すべきか?以下の観点から意思決定をせよ。
- キャッシュフローの試算
- リスクとリターンのバランス
- 不動産市場のトレンド分析
【企業が変わる、新卒試験の現場】
企業側の採用担当者は語る。
「もはや、SPIや筆記試験では測れない。経営視点で物事を考えられるかどうかが鍵だ」。
一方、受験者は「まるで実際のビジネスの場に放り込まれたようだった」と驚きを隠さない。
果たして、この試験を突破できる学生は何人いるのか――。
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