【独立系VC】パートナーズファンド、新ファンド設立 総額65億円規模を目指し再始動

シード・アーリーステージのスタートアップ支援に特化する独立系ベンチャーキャピタルのパートナーズファンド(本社:東京都品川区、代表パートナー:山田優大ほか)は20日、新たに総額65億円規模を目標とした「PARTNERS FUND 2号投資事業有限責任組合(以下、3号ファンド)」を設立し、2025年4月にファーストクローズを完了したと発表した。

同社はこれまで、創業前からシード期に至るスタートアップに投資を行ってきたが、今回のファンドではプレシリーズAまで投資ステージを拡張。継続的なフォローオン投資も可能となる体制を整えた。最大10億円規模の投資にも対応する構えで、起業初期から中長期の成長段階まで、より一層の“伴走支援”を掲げている。

独立系VC同士が統合、GP4名体制に

今回のファンド設立に伴い、インキュベイトファンドから独立して「ゼロイチキャピタル」を設立・運営していた種市亮氏、みずほキャピタル出身でアーリーステージ投資に実績を持つ藤井智史氏が新たに参画。従来の山田優大氏(創業者)、中村雅人氏と合わせ、4名のGeneral Partner(GP)体制での再スタートとなった。

山田氏は「投資家と起業家の関係を超えた“本物のパートナー”を目指す」とし、実際に複数の投資先とは同じオフィスに身を置き、日常的に支援を行っているという。

また、同社は「Co-Founderマインド」「Love the Founder」「Evergreen(継続可能性)」を三本柱とする投資哲学を掲げ、VCとしての永続的な価値創出を標榜。ファンド組成後も社内外からGP人材の育成・招聘を進める方針を示している。

全国展開を視野に、大学発技術や地域支援にも注力

同ファンドは、東京にとどまらず名古屋・仙台など全国の拠点を活用し、地域発スタートアップや大学発ディープテックにも注力。事業化のための戦略設計、経営人材の探索・マッチング、検証支援などを一気通貫で手がける。

LP(出資者)には、FFGベンチャービジネスパートナーズ、東急不動産、TOPPANホールディングス、鈴与、ポーラ・オルビスHD、スタイレム瀧定大阪など日本を代表する企業が名を連ね、オープンイノベーションと起業家育成の両輪でスタートアップ支援に挑む。

なお、ファンド名は「2号」であるが、過去のファンドも含めると3号ファンドに位置づけられる。運用期間は2025年4月から2034年12月までを予定し、2年間の延長が可能。

「ゼロイチからグロースまで」支援網を拡張

初回投資金額は3000万円から2億円としつつ、スタートアップの成長段階に応じて最大10億円までの追加投資に応じる。これまで手が届きにくかったプレシリーズA、いわゆる「ポストシード」段階での出資を積極的に行い、スタートアップが「検証」と「成長」の谷間で資金難に陥る事態を防ぐ。

また、起業前の個別相談を目的とした「オフィスアワー」も常設しており、起業志望者から既存スタートアップまで幅広く門戸を開いている。

山田代表「VCを“産業”にする覚悟」

代表パートナーの山田氏は「わたしたちの挑戦は、VCという存在そのものを日本に根付く“産業”にすることにある」と語り、「投資家の論理だけではなく、共創者としての当事者意識を持ち続けたい」と強調した。

今後、渋谷にも新オフィスを開設予定。地理的にも物理的にも「起業家と同じ温度」で寄り添うVCとして、新ファンドを通じた実行力の真価が問われることになりそうだ。

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