
最高裁判所は2025年10月21日、「みんなでつくる党」による破産手続開始決定に対する特別抗告を棄却した。これにより、党の破産が正式に確定した。破産手続きは、東京地方裁判所が2024年に開始を決定していたもので、同党側が不服を申し立てていたが、最高裁はこれを退けた。
「みんなでつくる党」は2023年に、NHK党(旧NHKから国民を守る党)の後継組織として設立された政治団体で、当初は党首・大津綾香氏を中心に政治活動を展開していた。しかし、設立から間もなく党内外での対立や資金管理をめぐる混乱が相次ぎ、活動の停滞と財政難が表面化。最終的に約1億2000万円にのぼる負債を抱える事態となり、破産手続きに至った。
東京地裁は2024年に破産手続開始を決定し、資産の精査および債権者への配当準備を進めてきた。これに対し党側は「政治活動の継続を妨げるものであり不当」として抗告していたが、高裁・最高裁ともに棄却され、今回の判断で破産が最終的に確定した。これにより、「みんなでつくる党」は政治団体としての法的地位を失うことになる。
党首の大津綾香氏は、決定後に自身の公式X(旧Twitter)で「最高裁の判断を受け入れる。今後も政治活動そのものは形を変えて継続していく」とコメント。破産確定後も新団体としての活動を模索する姿勢を示した。一方で、党の運営に関わっていた関係者の一部は、寄付金の使途不明金や政治資金の流用疑惑などを指摘しており、複数の債権者が刑事告発を行っている。警察当局は寄付金の流れや帳簿の管理状況について捜査を進めているという。
破産手続きに詳しい専門家によると、政治団体の破産は極めて異例であり、党としての資産・負債の処理だけでなく、寄付金・助成金の扱いにも慎重な対応が求められる。特に、党運営資金に個人の口座が混在していた場合、資金流用や背任の有無を確認する必要があるとしている。
また、今回の破産確定により、同党の政治資金収支報告書や関連する契約関係書類が破産管財人に引き継がれる見通しで、今後の公開や報告内容にも注目が集まっている。総務省は、「破産した政党・政治団体についても、破産確定後の一定期間は法令に基づき収支報告の提出義務が残る」と説明している。
SNS上では、今回の最高裁判断を受けて賛否両論が広がっている。支持者からは「大津氏の行動力を評価する」「不正があったなら明らかにして再出発すべき」といった声が上がる一方、「寄付したお金はどうなるのか」「政治をビジネス化した結果だ」とする批判的意見も多い。
NHK党からの継承をめぐっても、政治資金や資産管理を引き継いだ経緯の透明性が問われており、今後は政治資金規正法の観点からも検証が進められる見通しだ。
また、党の元職員や関係者の中には、党運営中に報酬未払いがあったと主張する人もおり、民事訴訟が提起される可能性も指摘されている。
今回の最高裁の判断によって、「みんなでつくる党」は法的に消滅することになるが、党首・大津綾香氏は「政治活動をやめるわけではない。引き続き改革を訴えていく」と述べており、個人としての政治的発信は続ける意向を示した。
一方で、破産処理に関しては今後も債権者との協議や資産分配が行われる予定で、政治活動との線引きがどのように整理されるかが注目されている。
今回の決定は、政治団体のガバナンスや資金透明性をめぐる議論を改めて浮き彫りにした形だ。専門家は「政治とカネの信頼回復には、法的整備だけでなく、組織運営の透明性と説明責任の徹底が欠かせない」と指摘している。
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