世田谷区で生後3カ月女児死亡 母親を逮捕 親権争いの不安と孤立が背景か

東京都世田谷区の集合住宅で11月4日早朝、生後3カ月の女児が腹部に複数の刺し傷を負って死亡しているのが見つかった。警視庁はその場にいた28歳の母親を殺人の疑いで現行犯逮捕した。母親は「自分が刺した。親権を失うのが怖かった」と話しており、事件は家庭内での孤立と育児不安の深刻さを改めて浮き彫りにしている。

捜査関係者によると、母親は夫と別居中で、離婚と親権をめぐる話し合いが進められていたという。現場は住宅街にある集合住宅の一室で、同日午前、母親が「赤ちゃんを刺した」と自ら119番通報した。救急隊が駆け付けた時、女児はすでに心肺停止の状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。母親自身も手首などに軽い切り傷を負っており、自殺を図った可能性があるとみられている。

母親はこれまで地域の保健センターや児童相談所の支援を受けておらず、近隣住民との交流も少なかったという。近所の住民は「赤ちゃんの泣き声が時々聞こえたが、母親の姿はほとんど見たことがなかった」と話す。警視庁は、精神的な追い詰められ方や家庭環境についても慎重に調べている。

背景には、育児や離婚をめぐる支援体制の不備が指摘されている。特に、乳児を抱える母親が単独で親権争いに直面するケースでは、経済的・心理的に極度の負担を抱えることが多く、今回のような悲劇につながる可能性があると専門家は警鐘を鳴らす。

家族支援に詳しい社会福祉士は「乳児期は特に孤立感が強く、助けを求める力も奪われやすい。行政や医療機関が母親の変化に早期に気づける仕組みが必要だ」と語る。

警視庁は母親の精神状態を鑑定する方向で調査を進めるとともに、心中を図った可能性も視野に入れて慎重に捜査を進めている。

事件はSNSでも大きな波紋を広げており、「親権制度の見直し」「ひとり親支援の強化」を求める声が相次いでいる。

行政関係者によると、都内では同様に育児ストレスや家庭内トラブルに起因する児童の死亡事件が年に数件発生している。厚生労働省は2024年以降、自治体ごとに「孤立育児防止チーム」を設置し、地域保健師や心理士が定期的に母親と面談できる体制を整備中だという。

専門家は「育児の現場では“支援を受ける側”ではなく、“支援を受けて当然”という社会の意識改革が不可欠だ」と訴えている。

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