福井・鯖江の老舗眼鏡枠メーカーが破産 マツバ眼鏡工業、負債総額約2億7000万円

国内有数の眼鏡産地として知られる福井県鯖江市で、長年にわたり眼鏡フレーム製造を手がけてきたマツバ眼鏡工業株式会社が事業継続を断念した。同社は令和8年1月9日付で福井地方裁判所から破産手続開始決定を受け、倒産したことが明らかになった。負債総額は約2億7000万円に上る見通しだ。

同社は昭和11年(1936年)に大阪で創業し、戦後の高度経済成長期にあたる昭和38年(1963年)に福井県鯖江市で法人化。プラスチック素材による眼鏡フレーム製造を足がかりに事業を拡大し、その後はメタルフレームやチタン素材など、高付加価値分野にも進出した。平成に入ると海外展開にも乗り出し、1990年には台湾に合弁会社を設立。老眼鏡の製造なども手がけ、最盛期には約80人の従業員を抱えるまでに成長した。

しかし、2000年代以降は中国をはじめとする海外製の低価格眼鏡フレームが国内市場に大量流入。価格競争が激化する中で受注は次第に減少し、同社も人員削減や生産体制の見直しなど、事業規模の縮小を余儀なくされた。固定費圧縮や取引先の開拓などを進めたものの、業績回復には至らず、資金繰りは慢性的に悪化していた。

近年は原材料費やエネルギーコストの上昇も経営を圧迫。金融機関との調整を続けながら事業継続の道を探っていたが、先行きの見通しが立たず、最終的に法的整理を選択したとみられる。

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