大和証券グループ本社が2月2日に発表した2026年3月期第3四半期決算は、営業収益が前年同期比4・8%増の1兆756億円、純営業収益が同10・8%増の5225億円と増収を確保した。一方で、経常利益は同3・6%減の1674億円となり、相場環境の変動が収益構造に影を落とした。親会社株主に帰属する四半期純利益は1254億円と、前年同期比0・8%の微増にとどまった。
収益面では、受入手数料が堅調に伸びた。株式取引の活発化を背景に委託手数料が増加し、全体の受入手数料は3472億円と前年同期比15・1%増となった。金融収支もレポ取引費用の減少などにより改善し、増収に寄与した。一方で、トレーディング損益は債券収益の減少などを背景に739億円と12・2%減少し、利益面では重しとなった。
販売費・一般管理費は3747億円と前年同期比4・7%増加した。支払手数料の増加により取引関係費が膨らんだほか、給与の増加などで人件費も増えた。こうしたコスト増を背景に営業利益は1477億円と前年同期比29・8%の増益を確保したものの、営業外損益の悪化が響き、経常利益は減益となった。
部門別では、ウェルスマネジメント部門が引き続き業績をけん引した。市場投資活動の活発化と総資産コンサルティングの深化により、幅広い金融商品の販売が拡大し、純営業収益は2146億円と前年同期比13・4%増加した。ラップ口座の契約資産残高は過去最高の5兆7836億円に達し、大和ネクスト銀行の預金残高も4兆9545億円と15%増加した。これにより、同部門の経常利益は788億円と37・2%の大幅増益となった。
アセットマネジメント部門は増収ながら減益となった。証券アセットマネジメントや不動産アセットマネジメントは運用資産残高の拡大を背景に収益を伸ばしたが、オルタナティブアセットマネジメントで再生可能エネルギー関連投資の再評価に伴う引当金計上や減損処理が発生した。この結果、同部門全体の純営業収益は858億円と18・4%増えたものの、経常利益は490億円と24・7%減少した。
グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門は、株式市場の好調を背景にエクイティ関連収益が拡大し、増収増益となった。債券収益は市場変動の影響を受けたが、M&Aアドバイザリー業務が国内外で伸び、同部門の経常利益は385億円と前年同期比31・2%増加した。
財政状態を見ると、総資産は前期末比2兆5710億円増の38兆5953億円に拡大した。現金・預金やトレーディング商品が増加した一方、有価証券担保貸付金は減少した。負債合計は36兆6055億円と増加したが、社債や長期借入金は減少傾向にある。純資産は1兆9897億円と3・5%増加し、自己資本は着実に積み上がった。
配当については、連結業績を反映して半期ごとに配当性向50%以上を目安とする方針を維持しており、2026年3月期の通期配当は最低44円を下限とする考えを示している。証券市場の先行き不透明感が残る中、同社は安定的な顧客基盤を持つウェルスマネジメント事業を軸に、収益の平準化と資本効率の向上を図れるかが今後の焦点となりそうだ。
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