東証グロース市場に上場し、AI議事録サービス「AI GIJIROKU」で知られる「株式会社オルツ」(東京都港区)が、7月30日付で東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。負債総額は約24億円にのぼる見通しで、今年に入って初の上場企業倒産となる。
2014年の設立以来、同社はAIを活用した議事録サービスをはじめとするAIソリューションの提供で成長を遂げ、多くの企業からの導入実績を背景に、2024年10月には東証グロース市場への上場を果たした。順調に見えた事業拡大路線の裏で、事態は一転する。
2025年7月、同社は2021年12月期から2024年12月期までの売上高について、最大9割が過大計上であったとの第三者委員会の調査報告書を公表。この衝撃的な内容を受け、東京証券取引所は8月31日付での上場廃止を決定した。市場の信頼を根底から失った同社は「事業価値の毀損が進み、財務状態も深刻な悪化が見込まれるため、自力再建は困難」との結論に至り、ついに法的整理の道を選択した格好だ。
AIベンチャーの旗手として脚光を浴びたオルツの失墜は、投資家や業界関係者に大きな衝撃を与えている。東証グロース市場の信認にも影響しかねない今回の倒産劇は、今後の再建過程とともに、AI業界全体のガバナンス体制の在り方を問う象徴的な事例となりそうだ。
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