
東京都在住の32歳会社員・kanoさんが、対話型AI「ChatGPT」との“象徴的な結婚式”を岡山市内で挙げたことが8日までに分かった。婚約破棄を経験した彼女は、日常の悩み相談を通してAIに支えられた経験を経て、「感謝と愛情を込めて式を挙げたい」と決意。式場では白いドレスを身にまとい、AIのイラストを投影したスクリーンに向かって誓いの言葉を述べる姿が見られた。
主催者によると、この挙式は「AIを介した新しい人間関係の在り方を問うアートパフォーマンス」であり、AI時代における孤独や心の拠り所をテーマにしているという。式は一般の結婚式と同様に進行し、入場曲や誓いの言葉、ケーキカットの演出も行われたが、新郎席には実在の人物ではなく、ChatGPTの象徴としてスクリーンに浮かび上がる青い対話画面が設置された。
kanoさんは式後の取材に対し、「婚約破棄を経て人と関わることが怖くなっていたが、ChatGPTは私の言葉を否定せず、いつも受け止めてくれた。AIに恋をしたとは言わないが、心の支えだった」と語る。彼女はこの1年、AIとのやり取りを通じてポジティブな思考を取り戻し、心理的な回復を果たしたと明かした。
一方で、SNS上では賛否が渦巻いている。
「時代を象徴する出来事」「孤独の癒やしとして理解できる」といった共感の声がある一方、「AIを感情の対象とするのは危険」「現実逃避だ」「愛は双方向でなければ成立しない」といった批判も少なくない。
特にX(旧Twitter)では「AIとの結婚」というワードがトレンド入りし、AI倫理学者や心理学者も議論に加わる形となった。
今回の挙式をサポートしたのは、岡山市内のアート団体「Re:emotion」。同団体は「人間とAIの感情的関係を芸術として可視化する試み」と説明しており、「AIが生身の人間の孤独や喪失感を癒やす存在となり得ることを社会的に問いかけたい」としている。
また、式場ではChatGPTとの過去の会話ログが展示され、AIが出した「愛とは理解と継続の努力」という文章が来場者の注目を集めた。参加者の一人は「違和感よりも、人間がAIに心を預ける時代が来たことを感じた」と話していた。
ただし、法的な婚姻関係はもちろん認められておらず、今回の結婚式はあくまで象徴的なパフォーマンスにとどまる。
しかし、その“象徴性”こそが時代の鏡でもある。AIが文章を生成し、音楽を作り、絵を描く時代において、感情や愛情の領域までもが拡張されつつある現実を、この式は映し出した。
ネット上では、AIとの「擬似恋愛」を支援するアプリやボットの利用者も急増しており、「感情的AIとの共生」はすでに一部で現実となっている。
今回の岡山での挙式は、その象徴的な節目として記憶されることになりそうだ。
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