愛媛県今治市に本拠を置くタクシー事業者「河南タクシー有限会社」が事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが分かった。関係者によると、同社はすでに事後処理を弁護士に一任しており、近く松山地方裁判所今治支部へ破産を申し立てる見通し。負債総額はおよそ1億2000万円に上るとみられる。
同社は1961年に設立。長年にわたり今治市内を中心にタクシー事業を展開し、地域の足として営業を続けてきた。近年は交通需要の多様化に対応する形で、相乗り型の新交通サービス「今治mobi」の運行にも関与するなど、新たなサービスにも取り組んでいた。
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛や観光需要の低迷の影響を受け、利用客は大幅に減少。収入の落ち込みが続いた。さらに、その後も燃料価格の高騰や慢性的な人手不足といった業界共通の課題が重くのしかかり、経営環境は厳しさを増していた。
こうした状況のなか、売上の回復が見込めない状態が続き、資金繰りは次第に悪化。関係者によると、金融支援などの打開策も模索されたものの、事業の立て直しは困難と判断され、事業継続を断念する決断に至ったとみられる。
地方都市では、人口減少や公共交通の縮小に伴いタクシー会社の役割が一層重要視される一方、利用者数の減少や人材確保の難しさなどから経営環境は厳しい状況が続いている。
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