バイオベンチャーのヘリオス(東証グロース・4593)は1月27日、2024年12月期(2024年1月~12月)の業績予想を発表した。売上収益は前年の約4.6倍となる560百万円と大幅な増収を見込むものの、営業損益は依然として赤字のままで、最終赤字は4,235百万円に達する見通しだ。
売上増の主因はRPE細胞製造方法に関するライセンス契約の一時金収入とされる。しかし、研究開発費の減少により営業損益は若干改善するものの、デリバティブ評価損の影響が響き、税引前利益・当期利益ともに大幅な赤字を計上する形となった。
売上は大幅増も赤字は継続
前期(2023年12月期)の売上収益がわずか121百万円だったのに対し、2024年12月期の業績予想では560百万円と361.6%増を見込む。だが、営業損失は2,843百万円の赤字となり、依然として厳しい経営環境が続いている。
金融収益は373百万円(前期456百万円)と減少する一方、金融費用は1,589百万円(前期704百万円)に膨らみ、税引前利益は4,061百万円の赤字、当期利益は4,227百万円の赤字に落ち込む見込みだ。
デリバティブ評価損が財務に重荷
赤字幅が拡大した背景には、主にデリバティブ評価損がある。同社が発行した第21回および第22回新株予約権の評価見直しにより、1,446百万円の評価損を計上。これは国際会計基準(IFRS)に基づく非現金損益項目ではあるものの、同社の財務状況を圧迫する要因となった。
単体業績も売上増、赤字縮小
単体業績においても、売上高は571百万円(前年121百万円)と大幅増収を見込む。営業損失は2,446百万円の赤字(前年3,217百万円)と若干改善。経常損失も2,602百万円の赤字(前年3,017百万円)、最終赤字は2,673百万円(前年2,881百万円)と、前期比で若干の改善傾向を示す。
赤字脱却への道筋は
ヘリオスは再生医療分野での研究開発を進めているが、多額の研究開発費を必要とするビジネスモデルゆえ、黒字化には時間を要するとみられる。今期は研究開発費を1,960百万円(前期2,304百万円)に抑える方針を示したが、依然として厳しい状況は続く。
また、販売費および一般管理費は1,374百万円(前期1,184百万円)と増加。コスト管理が課題となる中、成長戦略の方向性が問われる局面を迎えている。
市場関係者からは、「売上は増加しているものの、財務リスクの高さが懸念される。今後の資金調達やライセンス収入の積み上げがカギとなる」との声も上がる。ヘリオスは成長路線を維持しつつ、どこまで赤字を圧縮できるのか、その経営手腕が試される年となりそうだ。
コメント